病気・症例報告

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2016.02.20更新

眼瞼腫瘍
 犬の眼瞼(まぶた)に発生する腫瘍の20~30%が組織学的に悪性と言われておりますが、大半(80~90%)のものが臨床的に良性です。
 性差はなく、どちらかというと上眼瞼に発生しやすいです。
 好発犬種としては、ビーグル・シベリアンハスキー・イングリッシュセッター、プードル・ラブラドールレトリバー・ゴールデンレトリバーが含まれております。

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      皮脂腺癌(マイボーム腺癌)                  メラノーマ

★眼瞼に発生する腫瘍分類と発生率
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 ※青色は良性   赤色は悪性

 眼瞼に発生する腫瘍で最も多いものは皮脂腺腫(マイボーム腺由来)です。
 眼瞼腫瘍が他の臓器に転移したという報告はありません。 

★治療
  外科切除、冷凍外科手術
  ※ 多くの獣医眼科医は外科切除を好み、再発率は外科切除で15%、冷凍外科手術で11%、再発するまでの期間は外科手術で28.3ヶ月、冷凍外科手術で7.4ヶ月であったという報告があります。

  ※ちなみに当院も外科切除を行います。なるべく早期に腫瘍が小さいうちに手術をした方が瞼に対して負担が少ないです。しかも腫瘍が大きくなり角膜に接触し始めると角膜表面に傷ができ、動物に苦痛を与えることになります。

★症例:ラブラドールレトリバー、7歳、メス
     1、2ヶ月前から左眼の瞼に腫瘤ができ、増大傾向にあり外科切除希望で来院されました。
     腫瘤は瞼の内側(瞼結膜)に増大しており、明らかに角膜の接触がありました。
     幸い角膜の損傷はなかったので痛みを感じていることはありませんでした。

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 正面                   真上                   瞼を反転

 治療:外科切除

術直後                                     術後3日目

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 術後14日目                            抜糸後

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★症例:ミニチュアダックスフンド(ワイヤー)、16歳

主訴:結膜充血、粘性眼脂、眼瞼痙攣(しょぼつき)

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切除後                      抜糸後

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投稿者: りほの動物病院

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