家族だからわかるネコちゃんの普段とは少し違う様子
「ちょっとおかしいな」
と感じたら、りほの動物病院にご相談ください。
エマージェンシーサイン
こんな症状に気付いたら、できるだけ早くりほの動物病院までお連れください。
・歯茎や舌の色がいつもより青白い(貧血、血圧低下)
・呼吸の回数が多い。呼吸のたびに鼻の穴やお腹が動く(呼吸困難)
・まっすぐ歩けないでふらつく(神経症状)
・背中の皮膚をつまむと、いつもより戻りが悪い(脱水)
・耳を触ると、普段よりかなり熱く感じる(発熱)
・病状がどんどん進行し、悪化している
トイレに何度も行く
膀胱炎
細菌感染、尿結石、ストレスなどで膀胱に炎症が起こります。膀胱に尿が溜まっていなくても残尿感から何度もトイレに行くようになりますが、排尿姿勢を取っていても少量またはまったく出ていなかったり、血尿が出たりすることもあります。細菌感染や膀胱結石が原因の場合には早急な治療が必要です。尿検査を受けましょう。
尿道閉塞
主に雄に多く、雌では稀です。尿道に結石や栓子が詰まって尿が出なくなるため、何度もトイレに行くようになります。もし尿道が完全に閉塞してしまうと尿が全く出なくなり、1~2日で尿毒症という状態になって、最悪の場合亡くなってしまうこともあります。雄猫で何度もトイレに行くことに気付いたら、早めに診察を受けてください。
便秘
高齢の猫や結腸の機能が低下したため、また過去に骨盤骨折を起こしたことのある猫に起こりやすく、何度もトイレに行って排便姿勢を取りますが排便できず、鳴き声をあげたり吐いたりすることもあります。慢性化すると自力での排便が困難になることもあるので、便秘の症状がみられた際には診察を受けてください。食事療法などで改善するケースが多いのも特徴です。
眼の充血・眼ヤニ・涙
結膜炎
主にヘルペスウイルスによる猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、クラミジア感染症などによって起こり、まぶたの裏側や白眼が赤くなったり腫れたりして、涙や眼ヤニが出ます。ウイルス感染の場合にはくしゃみや咳、口内炎などを伴う場合もあります。免疫力のある成猫は重症になることは稀ですが、子猫や抵抗力のない猫では重症になって、肺炎を併発して重症化する可能性があるため、早めに診察を受けてください。
角膜炎
ヘルペスウイルス感染や外傷により起こり、目を痒がったり、角膜の表面が白く濁ったりします。悪化すると角膜に穴が開いてしまうこともあります。放置してしまうと視力にも影響が出ますので、早めに診察を受けてください。
くしゃみ・鼻水
猫ウイルス性鼻気管炎
ヘルペスウイルスの感染により起こり、くしゃみ・鼻汁と共に発熱や結膜炎、元気や食欲の低下などの症状が現れます。幼猫や免疫力のない猫では肺炎を起こし重症化してしまうこともありますので、早めに診察を受けましょう。また、このウイルスは症状が治まった後も体の中に潜伏感染します。そのため、体調不良やストレス、環境の変化などで再発することもあります。
猫カリシウイルス感染症
カリシウイルスの感染により起こり、ヘルペスウイルスと同様にくしゃみ・鼻汁と共に発熱や結膜炎、元気や食欲の低下などがみられます。カリシウイルス感染症の場合は、口内炎ができることもあり、痛みから食欲不振を招いて状態を悪化させてしまいます。また幼猫や免疫力のない猫では肺炎を起こし重症化してしまう可能性があるため早めに診察を受けてください。
咳・呼吸があらい
気管支炎
ウイルスや細菌・マイコプラズマなどの感染が原因で、咳や発熱がみられます。苦しそうに呼吸をしているときや口を開けて呼吸をしているときには呼吸困難を起こしています。至急診察を受けてください。
喘息
アレルギーや感染・寄生虫などにより、呼吸困難を引き起こします。咳や胸を大きく動かして呼吸するようになって、ひどくなると口を開けて呼吸するようになります。症状が強いときは早めに診察を受けてください。
膿胸
喧嘩で受けた外傷や気管支炎・肺炎に続発して、胸の中に膿が溜まってしまう病気です。発熱や元気と食欲の低下、呼吸困難などの症状があり、呼吸が苦しそうな時には病気が進行していることが多いので、早めに診察を受けてください。
横隔膜ヘルニア
胸とお腹を隔てている横隔膜に穴が開くことで、お腹の臓器が胸の中に入ってしまう病気です。交通事故や落下事故で横隔膜が破れてしまったり、先天的に横隔膜に穴が開いていたりする事が原因です。症状としては苦しそうな呼吸や嘔吐がみられます。呼吸困難を起こしているときは緊急性が高いので、至急診察を受けてください。
気胸
肺に穴が開くことで、胸の中に空気が溜まって呼吸困難を起こします。交通事故や落下事故により起こることが多く、溜まる空気の量が多くなると呼吸ができなくなってしまいます。できるだけはやく診察を受けてください。
胸腔内腫瘍
胸の中にある肺や縦隔に腫瘍ができることによって呼吸困難を起こします。猫にはリンパ腫が多く、また白血病ウイルスに感染している猫は若齢でも発症します。元気や食欲の低下、苦しそうな呼吸、体重が減るなどがみられます。呼吸困難があるときには早めに診察を受けてください。
心疾患
心疾患から胸の中に水が溜まる胸水や、肺に水が溜まる肺水腫は呼吸困難を起こします。猫では心臓の壁に変化が起こる心筋症が多くみられます。呼吸困難の他に血栓症を起こしやすく、急に後ろ足が動かなくなることもあります。胸を大きく動かしての呼吸、浅くて速い呼吸、開口呼吸がみられるときには至急診察を受けてください。
口を痛がる・ヨダレが出る
歯肉口内炎
歯ぐきや口の中に炎症があると、ヨダレが出たり、歯や口内を痛がり食欲が落ちたりすることがあります。歯周病やカリシウイルスなどのウイルス感染が原因だと考えられています。痛みが強いと食欲がなくなって痩せてきますし、肝リピドーシスといった病気も起こします。フードを食べなくなったら早めに診察を受けてください。
口腔内腫瘍
高齢の猫では口の中に腫瘍ができてヨダレが出たり口を痛がったりすることがあります。また唾液に血が混ざっていたり、口臭に腐敗臭が感じられたりすることもあります。このような場合は診察を受けましょう。
下痢
感染性腸炎
細菌・ウイルス感染やジアルジア・トリコモナス・コクシジウムといった原虫に感染することにより下痢を起こします。通常は原因の病原体に対する治療でよくなりますが、猫汎白血球減少症ウイルスによる下痢の場合には下血や頻回の嘔吐などを起こして重症化しますので注意が必要です。成猫で軽度の下痢の場合は様子を見ることも可能です。ただし、症状が続く場合や、元気がない場合には必ず診察を受けてください。また、幼猫では脱水症状や低血糖を起こしやすいので、至急診察を受けましょう。
嘔吐
毛球症
猫は毛づくろいをする際に毛を飲み込んでしまうので、その毛がお腹の中で塊になってしまいます。この塊は通常、嘔吐か便と共に排出されます。うまく体から排泄できないときには、胃炎や便秘の原因となることもあります。毛玉を吐くこと自体は大きな異常ではありませんので、様子を見て大丈夫です。ただし、繰り返し吐くときには診察を受けましょう。こまめにブラッシングして抜け毛を取ってあげることで、毛玉を吐く頻度を下げることも可能です。
感染性胃炎
細菌やウイルス感染が多いのですが、回虫という寄生虫感染でも虫体を吐くことがあります。繰り返し吐く場合や元気がないときには念のため診察を受けてください。
腸閉塞
紐やスポンジなど、異物が腸に絡んだり詰まったりする消化管内異物、腸が二重にかぶさってしまう腸重積、腸管腫瘍など、腸が詰まってしまう状態が腸閉塞です。頻繁に嘔吐を繰り返し、完全に閉塞してしまうと水を飲んでも吐くようになります。嘔吐がひどいときは早めに診察を受けましょう。
膵炎
膵臓という臓器に炎症が起こって嘔吐することがあります。急性膵炎と慢性膵炎があり、猫では慢性膵炎が多いと言われています。慢性膵炎では症状がはっきりせずに時々吐くだけということもあります。嘔吐の回数が多いときや体重が減ってきたときは診察を受けましょう。
甲状腺機能亢進症
甲状腺というホルモンを出す臓器の機能が亢進している状態です。特に高齢の猫で多く、嘔吐と下痢、食欲があるのに痩せてしまうなどの症状がみられます。病気が進むと心臓にも影響がでるので、疑わしいときは検査を受けてください。
水をよく飲む・尿量が多い
腎臓病
高齢の猫は慢性腎臓病になることが多く、腎機能が低下してくると水を飲む量が増えて尿の量も多くなり、進行すると食欲が落ち体重も減少してきます。慢性腎臓病は治すことはできませんが、食事療法や内服治療で進行を遅らせることができます。尿量や飲水量が増えてきたら検査を受けましょう。
糖尿病
糖尿病になると尿の量が多くなる、水をたくさん飲むようになる、食べているのに痩せてくるといった症状もでてきます。病気が進行すると腎機能が落ち、昏睡状態に陥る場合もあります。疑わしい症状が出たときは検査を受けましょう。
急に痩せてきた
糖尿病
糖尿病になると食べているのに痩せてきます。また、水をたくさん飲んで、大量に排尿するといった症状もみられます。糖尿病で痩せはじめたら、病気がかなり進行していることが多いので、早めに診察を受けましょう。
慢性腎臓病
慢性腎臓病になると水を飲む量と尿量が徐々に多くなっていきます。進行につれて食欲不振になり、脱水を起こして体重が減少してきます。痩せてきたら病気は進行していることが多いので、早めに診察を受けてください。
甲状腺機能亢進症
高齢猫によくあるホルモン疾患で、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されます。甲状腺ホルモンには代謝を上げる作用があるので食欲はあるのに痩せてくるといった症状のほか、嘔吐や下痢などがみられることもあります。病気が進行すると心臓にも影響が出る可能性があるので、疑わしいときには検査を受けましょう。
しこりがある
膿瘍・肉芽腫性炎
喧嘩や事故などの外傷から細菌や異物が皮下に入り、膿が溜まって膿瘍になったり、慢性的な炎症から肉芽腫性炎を起こしたりすることがあります。どちらも皮膚の上から触るとしこりの様に感じられますが、膿瘍の場合は中に液体が溜まっているのが感じられることもあります。抗生物質の内服や異物の除去が必要ですので、診察を受けてください。
腫瘍
しこりの中でも、皮膚や皮下にできた腫瘍の場合、もし悪性であれば放っておくと転移や切除しきれなくなってしまいます。早めに検査を受けるようにしてください。特に皮膚がただれて潰瘍状になっていたり、可動性が無く筋肉にくっ付いているように感じられたりしたら注意が必要です。
痙攣がある
てんかん
脳の異常な興奮によって、身体の一部あるいは全身の筋肉が痙攣してしまう病気です。発作が起きていないときは正常猫と変わりありませんし、単発で1~2分の短時間の痙攣は命に関わることも少ないとされています。もし繰り返す場合や長時間治まらない場合には命に関わるため、早めに診察を受けましょう。
脳炎
ウイルスや細菌感染による脳炎で痙攣を起こすことがあります。この場合は痙攣していないときにも意識レベルが低下しているなど、他の症状も見られることが多いので、疑わしいときには至急診察を受けてください。
脳腫瘍
中高齢の猫では脳や頭蓋骨に腫瘍ができることがあり、その症状として痙攣を起こすことがあります。痙攣を起こしていないときも意識レベルの低下や性格の変化など、他の症状を伴うこともあります。疑わしいときは早めに診察を受けましょう。
不整脈
不整脈による失神が痙攣に見えることがあります。この場合、症状を繰り返すことが多いので早めに診察を受けましょう。
皮膚に異常がある
アレルギー性皮膚炎
ノミや蚊に刺されたり、環境中や食物中のアレルゲンに曝されたりすることで皮膚に炎症を起こします。症状としては体を痒がり、皮膚に赤い発疹やただれが出ることもあります。症状が強い場合には薬による治療が必要です。診察を受けましょう。
疥癬
ネコショウセンコウヒゼンダニと言われるダニに感染すると、強い痒みが現れ、毛が薄くなって、皮膚がガサガサになり、触れると熱く感じます。フケや痂皮も多くなります。耳介や頭部、四肢によく現れ、他の猫にも感染しますので、早めに診察を受けてください。
皮膚糸状菌症
皮膚糸状菌という真菌(カビの仲間)が原因で起こり、耳介や頭部、四肢によく発症がみられます。円形の脱毛や紅斑、フケのほか、毛が薄くなってくることもあります。自然に治まることもありますが、人にも感染する病気ですので、早めに診察を受けましょう。
痤瘡
角質や皮脂があわさってできた物質によって毛包が塞がってしまい、ニキビのような面皰ができます。下顎や下唇部が黄色や茶色に変色したり、黒いブツブツしたものが付着したりします。軽度の場合はシャンプーや、温めたタオルでやさしく拭いて様子を見ます。症状がひどい場合には内服治療が必要になることもあります。診察をしましょう。
好酸球性肉芽腫症候群
好酸球性肉芽腫には、皮膚にクレーター状の潰瘍ができる無痛性潰瘍、皮膚が赤くただれて水膨れの様になる好酸球性プラーク、太ももに脱毛して赤みを帯びた線状の病変ができる線状肉芽腫があります。原因を特定できないことが多いのですが、自己免疫疾患やアレルギー、ウイルス感染などが原因だと考えられています。疑わしい症状がみられた時は診察を受けてください。